webデザイナーが生み出す成果物には、正解や不正解の概念がありません。自由にwebデザイナーが検討した設計図を形にすることができれば、どんなものでも存在価値があると言えます。しかし、それが許されるのは課題が与えられていない状態の活動だけです。スクールにせよ個人創作にせよ、webデザイナーが何かを生み出す際にはコンセプトを選定することが多いです。
それに沿った作品でなければ、価値は低くなります。成果物には明確な答えがない一方で、コンセプトから大きく外れた作品は受け入れられません。極端な例として、爽やかで落ち着いた雰囲気を醸し出している作品を生み出すことが決まったとします。このときに、濃い赤や黒などの色を積極的に用いてしまうと、コンセプトを無視した作品が出来上がってしまいます。
webデザイナー個人が満足することに重きをおいていれば問題ありませんが、スクールなど作品が評価される環境では及第点を与えられません。コンセプトを一人の人間の要望であると考えると、自ずとどのようなデザインが適しているのか明らかになっていきます。webデザイナーの活動はコンセプトから外れないようにすることが肝心なので、難しいことは言わずもがなです。ところが、難しさがデザイン作業の楽しさでもあります。
考えぬいた結果として生み出された作品に高い評価が与えられると、作業中の苦労が報われたと思えるようになるので、この上ない喜びを感じられます。